在るが儘に朽ちてゆく

思い出の一欠片
誰かからのお土産で貰ったペンダント
今も本棚の上に飾られている

久しく見てなかった気がする
いつかの落し物を見つけた時のような感覚
埃を被って 少し色褪せたかな
風化したような姿がなんだか淋しかった

銀の金具の中心に藍色の勾玉
勾玉の中は薄い青が渦巻いてる
深海に浮かぶ空
そんなイメージを秘めている

誰から貰ったんだっけな
思い出せない
貰った時の喜びも 勾玉の藍も
そこに在るのに
ただそのまま 色褪せて 風化して 朽ちてゆく
哀しいけど 淋しいけど
思い出なんてそんなもんだ
在るが儘に朽ちていくんだよ