彼奴

彼奴はやっぱり凄いやつだった
知ってたよ
彼奴がどんな世界に踏み入ろうとしてるのかも
その為にどんなことをしてきたかも
全部知ってて 僕もまだまだだなと思わされる
今いる此処は微温湯で間違いない
どうでもいい奴らは葱坊主と同じで大きな風に従って靡いてる
そんな中で彼奴は
やっぱり凄いやつだ

でも彼奴は屑だ
どうしようもない屑だ
彼奴は僕が貸した信用を返しには来ない
さてどうする
関わるべきか関わらぬべきか

彼奴はきっと先の未来 関わらざるを得ない存在だ
良い影響を与え合うことが出来るだろう
でも彼奴はきっと先の未来 僕の大切な物を偸む
そんな確信に近い予感が胸に蟠る

様子を見よう
信用を返しに来たのならもう一度向き合って腹を割って話してみたい