多くの花びらが散っていった
ぜんぶ 風のせいだった

わたしだけが残った
どうしてわたしだったのか
そんなことを考える暇もなく また次にくる風に備えなければならなかった

日々は残酷だった
風だけが敵ではなかったからだ
雨が降り
雪が降り
無慈悲に笑う季節が
幾度もわたしを殺さんと欲した

それでも と
わたしはふるえながら耐えた
もう辞めてしまいたかった
強がっていても 弱さが消えることはない
それは知っていた
寂しくはない
そんな言葉が浮かぶくらいには 夜風は鋭く 冷たかった

わたしは堪えようと決意していた
消えていった仲間のために
わたしがわたしであるために

わたしは最期まで花でありたい