2017-01-01から1年間の記事一覧

変わらないもの

足が冷える 足の指先が冷える 部屋のベットに座りながら考え事 リビングには母と父 紅白歌合戦を観ている 年越しねぇ 年が変われば何か起きるのかと問われればそうではない 結局今日も明日も日常の一端 でも明日は出かけないといけない 面倒くさいやつがある…

おばあちゃん

おばあちゃんの家に行った 久しぶりのような気がする おばあちゃんは私の顔を見ると満面の笑みを浮かべて近づいてくる 私の手をとり両手で摩る 会うたびいつもやってくれる おまじないらしい 不思議と手が閑かな温度で包まれる気がしたおばあちゃん 少し背が…

才悩人応援歌

書きたくない 書きたいものがない 何も考えずに眠りにつきたい過去に貯めに貯めた下書きを見返してみても どれもこれも賞味期限が切れてるみたいで書く気が起きない 特別悲しいことがあった訳でもなく 不幸が辛いわけではなく なんだろね 単純にモチベーショ…

ナンセンス

言葉を吐きます 汚くても綺麗でも それがどう映るかは受け手に届いてから リテラシーの低さが幸いするだろうかイヤホンを耳に当て流れてくる音に呆然と 目を瞑ろうか 1日を振り返ろうか クソだ と今日も言っただろうか 思ってしまっただろうか ごめんよごめ…

カーテン

朝 目を覚ます カーテンを開ける 寝惚け眼には眩すぎる窓越しの陽光 頬が焼かれて火照りを催すベッドから出るか躊躇う 朝のお布団は永久的な温みの溜まり場 外の世界は変化と始まりで冷えた極寒の地 勇気に任せた一歩 永遠を踏み躙り差し出した一歩 1日が始…

気高き少年

涙は吐き捨てて 天地を仰いで 過去と未来を縫い合わせて焦燥の最中 見ず語らずとして 後悔など踏み飛ばして最期に残ったもんは何だ 生き甲斐と稱するに能うるかそうだよな 分からないよな翔れ 翔れ 誰よりも疾く 翔れ 翔れ その翼揺らして 翔れ 翔れ はち切…

サンタクロースはやってこない

クリスマス だからなんだというのだ 特に予定もないし変わったこともないしサンタクロースもやってこない 無題の日常に名前がついただけだ別にそれで構わない いつも通り起きて いつも通りご飯を食べて いつも通りやりたいことをやって いつも通りやりたくな…

ヴァイオリンは私の元へ

私は相変わらず二階の自室で机に向かって作業をしているのだけど 一階からは物柔らかなヴァイオリンの音色が聴こえてくる 奏者は父だ 父はヴァイオリンを弾いていると言っても弾き始めたのは昨年の秋頃から まだその音色には覚束なさがちらつく 昨年の秋 祖…

ごめんなさいごめんなさい

ごめんなさいごめんなさい書きたくないんです 何もかも そういう時期です こうやって誤魔化して埋め合わせるのです ごめんなさいごめんなさい昨日は何も考えずに過ぎて行きました きっと一昨日も そうやって無駄にした1日1日 もう巻き戻すことなんてできない…

冬至

風呂場には既に柚子の香りが湯気に巻かれて漂っていた 鼻をつくような甘酸っぱい匂い 湿度を帯びた空気が冷え乾燥した肌を優しく撫でる今日は冬至だ だから柚子風呂にしよう と母が言った だから今日は柚子風呂だ 冬至と柚子にどのような関連性があるのか私…

皆違う故に皆同じ

テレビを見た NHKの特集番組 やりたいこともやらないといけないこともあったけど それら全部を忘れて魅入っていた画面の向こうには同年代の少年少女 計1000人の少年少女 彼等が力を合わせてイベントを成功させようと奮闘する番組 各々が其々異なった想いを抱…

友が夢に出てきた 二人で旅に出かけているようだ 此処はどこだろうか 寂れた田舎の電停かな 夢の背景は砂漠のような橙色 暖かく乾いた空気が頰に触れた気がした 彼は身軽そうな服装で小さめのリュックを背負っている やっぱり旅行かな彼は笑っている 楽しそ…

噓憑き優良生徒 2

噓憑き優良生徒は消えようとしていますもう 噓をつく必要はないようですもう 殻に籠る必要はないようです僕は強くなったようです僕は勇気を持てたようです評価される為の自分は消えたようです中身を曝け出して生きても許されるようです 今迄ありがとう護って…

お客様

今日の晩は和風の飲食店 天井から吊られた提灯が綺麗で感じの良い店だった 入り口から入って直ぐ右側のテーブル席 そこに母と腰掛けて注文を待つ 割と賑わってはいたが空席がちらほら見られた自分たちの番が回って来た 店員さんは水と箸とお手拭きを其々2つ…

昼空を編む

四限目体育 昼食を終えた僕等はグラウンドへ向かう 今日は最期の体育だ 楽しもう緑の人工芝の上 この芝を踏むのも最期なのだろうか 暫し感傷 紛うことなき晴天 冬の陽射しは何かの終わりを見守ってくれているような温みを感じる 通り抜けるそよ風は肌寒いけ…

殄滅の唄

ある山の麓 まるで世界から乖離されたかのような僻地に 閑かに彳む小さな村 誰しもが気に留めることのなき小さな一点 しかし其処は今も昔も この世界の終焉に最も近しい場所であることは確か 村には古来からの奇妙な仕来りが存在する 村落に隣る剣山の山頂に…

sabotage

そういう日もある 仕方ない書きたくない日もある 仕方ないさそうやって次の日に書いて日時誤魔化して提出するんだろ 仕方ないさサボタージュだな 怠慢だいや違うかな sabotage こっちだお前がやってるのは怠慢じゃない 破壊活動だそうやって簡単に積み上げた…

彼奴

彼奴はやっぱり凄いやつだった 知ってたよ 彼奴がどんな世界に踏み入ろうとしてるのかも その為にどんなことをしてきたかも 全部知ってて 僕もまだまだだなと思わされる 今いる此処は微温湯で間違いない どうでもいい奴らは葱坊主と同じで大きな風に従って靡…

痛覚

左目が疼く 奥の方を抉られるような激痛が左半身を襲う 不摂生な生活をしているからだろうか 手洗いうがいはちゃんとやってるんだがな ああこんなこと書いてたら右の首の付け根辺りも疼きだした痛覚ってのはどこからやってくる神経が異分子を感知してそれに…

思考癖

考えることが減ってきていると感じ始めていた其れは 考えた末の収束か 将又 思考の放棄か 何故 と問うても返信は保留されたまま その虚無の滞留がただただ恐ろしかった 唐突な氣附き 今至った 一つの違和感が脳裏をよぎる その刹那を書き留めて永遠にしてや…

轟々と

風が荒れている 轟々とうねり鳴動する 障害物の総てを力で押し退け突き進む 窓を強く叩く音が部屋の中を占めて緊張を促す 外界のどよめきが気になり僕は恐る恐る窓に手を掛ける 窓縁はひんやりと冷たく室温との兼ね合いで水滴が疎らに付着していた 人差し指…

馬鹿

人は勘違いをしている 時間は無限に有ると勿論 皆 時間は有限だと胸を張り 如何にも自らの意識の高さを飾り見せびらかすかのように提言する私もその一人 結局その一人 意識だけが独り歩き 身体は置いてけぼり 今日を憂いて明日に縋る 馬鹿 その二文字で充分 …

支離滅裂

空想を描くには相応の労力を要する 脳は疲れるし時間は一人歩きする 辻褄を合わせようと奮闘するほど矛盾が生まれる 序盤に修正を加えると描きたかったモノのベクトルが狂う あぁいやだいやだ 違和感に対してどう向き合うの 加えるか減らすか全部消すか その…

無人駅

自宅のポストに一通の便箋が届いた 黒い封筒 送り主は書かれていない御迎えに参りました 待ち合わせは最寄り駅の666番ホーム中の手紙には手書きの文字でそう刻まれていた 不審には思った しかしどこかで見たような文体 覚えのある文字 ぼんやりと記憶を辿る…

どうせ未来は明るい

屈託のない話をダラダラといつまでも 誰かと駄弁りながらヘラヘラ笑っていたい張り詰めた心の緊張を緩めて ぼんやりと思考を鈍らせて 泥沼の底に無抵抗に溺れていたいそういう惰性を赦されるような夜を誰かと過ごして想い出と呼んでみたい それが逢いたい君…

そうやって言葉は増えていく

言葉は常に宙に浮いている 手が届くか届かぬかの狭間 揺ら揺らと私はいつも爪先立ちで 空っぽの左手をぐっと伸ばしては一つ掴み取る 手に取ったそれは不思議な魔力を帯びた虹の果実 甘露な薫りを匂わせて人々を魅了する 私も魅せられた人間の1人であり それ…

初雪

夜の電車に揺られ帰り道 1日の終わりの疲労感と明日への期待を乗せて走る 期待には一抹の不安はつきもので その沈黙に堪えながら次の駅を待つ 夜の車窓は内側の光を反射しやすいのだろうか 自分の姿が映る 見慣れた疲労感混じりの退屈そうな顔だ 奥には外の…

耳鼻科

長年蓄えた鼻の膿の治療で耳鼻科へ通う 土日が定休日なだけに月曜日の診療はいつも混む 患者の年齢層は幼児が一番多くて次に高齢者そして学生といった感じ 幼児と学生は学校帰りの格好で待合室のソファに座っている どこかで聴いたようなメロディをオルゴー…

みんなが

みんなが好きなものが自分も好きで みんなが嫌いなものが自分も嫌いで みんなが綺麗と言うものを自分も綺麗と言って みんなが醜いと言うものを自分も醜いと言って 大衆的なものに巻かれて 少数を貶して 明日は希望に満ちていると大袈裟に笑って 楽しくて仕方…

一年

11月を超えて一年の最後の30日へ 終わる もう直ぐ終わる 終わると同時に始まる どうだどうだと自らに問う 長かったか あっという間だったか 楽しかったか 苦しかったか 良かったか 悪かったか どうだかわからないけど今年は濃厚な一年だったと思う 今迄の年…