初雪

夜の電車に揺られ帰り道
1日の終わりの疲労感と明日への期待を乗せて走る
期待には一抹の不安はつきもので その沈黙に堪えながら次の駅を待つ
夜の車窓は内側の光を反射しやすいのだろうか 自分の姿が映る
見慣れた疲労感混じりの退屈そうな顔だ
奥には外の風景
空の暗がりが辺りを染めて濃い藍色の一面
そこに小さな光が落ちる
藍を劈くその光の名は小雪 真っ白な粉雪
この町初めての雪が降った
窓越しにふわふわ靡く白をなぞる
指先に悴む冷たさを感じる
この温度差の意味を日常に照らし合わせる
明日は積もるのだろうか
真っ白な絨毯を想像して期待するも 電車が止まる不安がよぎる
期待に不安はつきものだ