おばあちゃん

おばあちゃんの家に行った
久しぶりのような気がする
おばあちゃんは私の顔を見ると満面の笑みを浮かべて近づいてくる
私の手をとり両手で摩る
会うたびいつもやってくれる
おまじないらしい
不思議と手が閑かな温度で包まれる気がした

おばあちゃん 少し背が縮んだだろうか
直ぐにご飯の支度するから と言った祖母の背中は以前よりちっぽけに見えた

祖父の仏前で母と共に手を合わせる
何を想う
家族の安泰か
我々家族は本当に平穏な暮らしを送っている
金銭に困ることはない
多少の贅沢も赦される
重病を患うということもない
母が居て父が居て祖母が居て
祖父は安らかに眠ったまま
ただただ平穏で 平凡で
それが幸せなのだろうな

この平穏が永遠に続きますように
おばあちゃんの小さな背中を見ながらそう想った