あなろぐてれび

ががが ががが
明日棄てるあなろぐてれび

ががが ががが
雑音のテンポ 永遠の砂嵐

ががが ががが
もう受信する電波は地球上には存在しない

がが が が が
筈だった

びぃーーーーー
眺め続けた砂嵐の先に不可解な効果音
不思議な期待に胸が高鳴る
画面が揺れる
その奥だ その奥に何がある
僕はテレビを覗き込む様に顔を近づける

びー びー びびー
烈しさを増すノイズ
何かの信号か?爆発の合図か?
宇宙からの電話か?地下からのSOSか?



そんな期待は淡く溶けていった

ががが ががが

ががが ががが

急に落ち着きを取り戻した
変な期待が変に萎んだ
興味を失った僕は やっぱり明日棄てよう という想いが強くなっただけ
胸の騒めきにも飽きたのでコーヒーでも煎れようか
僕は部屋を出てキッチンへ向かった



遠去かる僕の後ろ姿
彼は画面の奥で観ていた
涙ぐんでいるのか
拙い笑顔で手を振っている
おわかれだね ありがとね
さよーなら

砂嵐に掻き消された届かない声



僕は露知らず
リビングでコーヒーを飲みながらテレビを見てる
お笑い番組が面白い
あはは と笑った
やっぱりデジタルだなぁ と言った