ぬくみ

台風が 昨夜までの雲を 全部掻っ攫っていって
久々に陽の光を浴びたような気がする

夏の 焦れるような熱でなく
秋の 抱擁のような温み

優しい輝きが
冷気に曝された眼を 温める
眩しくはない
観ていられる
温い


帰り道
いつも 首を回れ右して 雲に見え隠れする太陽を追っていた
今日は隠れる雲が無いから 裸のままだ
陽は既に沈みゆく時季となった
羽織る上着も一枚増えた
でも今日は上着いらなかったかも なんて

隠れた山並みからの残照で まだ 温む

ぽかぽかしている

ぽかぽか
似合ってる

ぽかぽか って表現
誰が考えたんだろ
言葉に悩む心を 宥めてくれる
その人の一日も 今日みたいな心だったのかな


嵐の余韻か

そよ風がまだ背中を押す