夜が怖い

眠れない夜が続く

今年の夏から ずっと


夜の十二時
アラームを6時30分にセットし
灯りを消して
ベッドの上で毛布に包まる
瞼を降ろして 睡魔を待つ


夜は怖い

無意識に恐ろしい想像をしてしまう
どろどろして 形容しがたい化け物が僕の頭を喰い千切る

脳が驚いて 身体が痙攣したように跳ねる

眠れない


想像を搔き消すが如く考え事をする
考え事に浸っていると 恐ろしい想像は身を潜める

だけど
考えが止まらない
考えが纏まらない
結論まで辿り着こうとするが故に いつまでも考え続ける

眠れない


夜が怖い

眠ってしまえば
今考えた其れを 失ってしまうような気がして

眠るということは 忘れるということだ

喪失と共に朝を迎え
思い出せない夜の面影に悩む
そんな日を過ごすのは憂鬱だった


ある日から
考えたことをケータイのメモに残すようにした
これで忘れて安眠できる
時間はだいたい二時頃を回ってるのが常

明日の一日が怖くなる
ちゃんと起きれるか不安になって アラームを10分遅らせる


鈍い痛みを抱えた頭の重みに身を任せ
深く 睡魔の海に 沈む

全部忘れてるであろう明日に期待して

おやすみ