休憩時間

頬が火照る
体の中がオーブントースターのよう

熱せられて
頭の中身がじっくりコトコト とろけてく
どろどろとしたチョコレイトのよう

左の鼻の穴からばかり体液が ずるずると流れ止まない
机の上にはティッシュの山


上半身の全体重を机に任せて 鐘の音を待つ
思考力は鈍って 鉛のように重々しい

周りには雑音が元気に飛び交う
色彩豊かな雑音が耳を劈いて 五月蝿い

青や緑の低いトーンはまだ良い
問題なのは鮮烈な赤と黄
それはまあ元気なことで
ソプラノ張りの高音で破裂音をたてて喚く
君らの雑音は尖り過ぎてる

そもそも 休憩時間くらい休ませてくれ
四六時中機能停止している君らとは違うのだから


鼓膜からの振動に
とろけた頭の中身を掻き混ぜられてジュクジュクする

やっぱり耳には音を拒絶する機能が欲しい

人間はよくできた欠陥品


身体の中では黴菌と細胞の全面戦争

細胞は優秀だから大事にしてあげないと

頑張れ 頑張れ
と細胞軍の勝利を願う