だめな日

あぁ だめだ
ここのところ体調を崩し続けている
先の戦争で細胞軍は負けてしまったのだろうか
黴菌軍が体内を蝕んでゆく


肌が熱を帯びてる
脳が茹でられてる

嫌気がさして洗面所に向かう
蛇口をおもいっきり開いて
冷やい水で がばぁっと顔を流す
熱も一緒に流れちまえって思いながら

ついでに鼻水をかむ
ずるずると 滞りなく出てくる
どうせまた溜まるけど

顔をやわらかいタオルで拭いて 引き出しから葛根湯を一袋取り出す
風邪をひいたときはいつもこいつに頼ってる
一気に口に放り込んで水で喉に押し込む
胃に流れていくのを感じて部屋に戻る


ぐったりと
無気力な小動物のようにベッドに沈み込む

拭きそびれた水滴が もう蒸発してることに気づく
肌はまた熱し 荒れている
どこぞの乾燥地帯みたい

ケータイを手に 文字を綴り始めるわけなんだけど
眼が痛い
液晶画面の白さが眼に刺さる
光量のバーを1番下まで降ろして
灰色になった画面を 細めた左目で見る
片方ずつ休ませないと痛い


だめだ 本来書こうとしていた内容も 続きが浮かばない
それほどまでに 人間としての機能が低下している


だめな日だ
こういう日は 本当に死ぬのでは
なんて思ったりしながら寝る

右目に交代
明順応がいつもより遅い気がする
どっかの神経が熱にやられたのかな

風邪でも死ぬ人は死ぬのでしょう
でも明日起きたら死んでるのは勘弁
そんな気まぐれに死にたくない
やり残したことだらけだ


もう寝よう 早く寝よう
死ぬ確率を1パーセントでも下げよう

今 いちぱーせんとって打ったら予測変換で
1%の奇跡 って出やがった
不吉な言葉だ
こっちは少しでも確率を下げようとしてるのに 1%の奇跡で死ぬってか
奇跡なんぞに起こしてたまるか
負けんぞ 絶対に


部屋の灯りも落としてまっくら
暗順応を待つ
頑張れ自律神経
頑張れロドプシン

アラームは 今日はやめとこ
音で脳を叩き起こすのは 不調の体には聊か荷が重い
それこそ本当に
脳が爆音に驚いて 死んじゃうかも


今日はだめな日でした
明日はいい日がいいです神様
おやすみなさい
明日更新できなかったらたぶんさようなら