修正液

屡々 自らの刻みを 追って想い起こすことがある

数歩前の時の記しと対話して 自問自答を繰り返す

現在から見る過去
過去から見る現在
どうだどうだどう見えてんだ


変化に驚いた という返答は毎回共通

他に

エゴが過ぎてないか とか
まだ考えが浅いね とか
これはよくできたよね とか

返答は様々

返事が返ってこないことも屡々
答えに辿り着けてないんだろね
解答時間に焦る必要はないから
未来へと緩々歩きながら気を長くして待つ


日を記した其れも
未だ浅くも 確実に積もって
見返す度に 拙さに恥じらいを覚え
修正液を掛ける


こういう時便利だね デジタルってのは
どれだけ改変しようが痕が残らない
現在にある其れだけが真実として映る

便利で ズルい


傷痕に軟膏でなく 石膏を塗りたくる
傷を癒し治すでなく 覆い隠す 塗り固める
真実の過去が推敲という名の改変で別の何かに
将又 液に染まってまっしろに
悪寒がする

間違ってることをしてるような

そんな


ってあれ
書きたかったのはこんなことだったっけ
着地地点を見失った
この文章は落下する

まあいっか
今日という日の記しも
いつか修正液でまっしろにしてやろう