瞼を閉じればぼんやりと暗い世界がやってきて
でも薄っすらと外光の様子が伝わってきて
そのままベッドに顔を埋もらせると本当に真っ暗になって
その暗がりは右も左も上も下も限りなく続いているようで
奥まで 更に奥まで泳いで行けるような黒で

顔をあげると部屋の青白い蛍光灯が瞼越しに伝わってきて
その一枚の膜は僅かに熱を帯びて
脳が急な明るみに反射的に萎むような立ちくらみの感覚の中で
瞼をゆっくりと開けると外の世界が見えてくる

冷たい空気が眼球を撫でて
それが気になって瞬きで誤魔化して
片手で片目を押さえて温めて
そしたら奥の方がじんわりと痛いのに気づく


光が痛くて部屋の電気を消す
暗くて 目が緊張を緩めて
そのまま瞼を降ろす
まっくろだ
閉幕の合図はなく 眠りにつけぬ夜を今日も