地下を走る鉄道
薄暗いホーム
ここには太陽の光は無い
雨の音は聞こえない
だから傘なんて必要ない

歩く 改札を抜け西へ東へ
陰鬱が漂う構内の重力に自然とこうべが垂れる
視線はケータイの中
ぶつかりそうな肩と肩

足元を見た
上の矢印
目的地を指す
あとは定まった方角へ足を運ぶだけ
統制された人混み
左側通行
慣れた歩みと余所者の辿々しさ その差

進め
考えなくていいから
目的地はその先にある
黙って進め
矢印がそう指図する