特急列車

電車を乗り間違えて
自宅から遠退いて行く

溜め息を何度か吐いて席に座る
夜の特急はがらんとしていて スーツを着た男性がちらほらと

しばらくすると車掌が歩いてきて僕に声をかけてきた
料金をお願いします と言われる
なんのことかわからず困惑
特急列車の仕組みを説明されて承諾
600円を払った
また溜め息

窓から外の街が見える
冷たい街のはず
雨のせいで少し湿気ているか
夏の夜のよう

もうすぐ終点だ