展望台

見晴らしの良い場所があると 想う
きっと高い場所
そこで見下ろしているのだ
視界は広いだろうし地面に呑まれる心配もない
ほら今も真下で 知らない人達が争っている
つまらない悶着
その果てに1人が倒れた
犠牲者犠牲者
骨となって地面を作る

上からの景色は酷く滑稽で
誰かの不幸が今日も彼らの笑い話だ
石ころが路上の白線からはみ出したり
壊れたガラクタが廃虚に積まれたり
なんでもいいさ わらおう

と 想い
横に立っている
残状やら日常やら
あまり関係のないことですのでそっぽ向きながら
望遠鏡でこちらを眺めてるあいつにだけは手に持った針を投げつけた