裸眼とフィルター

奇遇なことに 似通った日記を書こうとしていた


眼が悪い
右目は0.5
左目は0.1もない

勉強の時は眼鏡
運動する時はコンタクト
上手く使い分ける

けど普段生活する時は裸眼
いつも 綺麗な景色を 掠れたレンズ越しに眺めてる


思えば
眺めてる という表現が相応し過ぎる

見ている
と言うには
あまりに見えておらず

見えてない
と言うのは
あまりに誇張が過ぎる

やはり 眺めている
ぼんやりと彩る 街の景色を
ぼんやりと蠢く 人の群れを


ぼんやりと ぼんやりと
それでいい
それでいいんだ

ハッキリ見えると疲れてしまう

コンタクトをつけて 自転車で駆けた時なんて最悪だった
いつもは見えていない看板や 標識の文字が次々に頭の中に流れ込んでくる
情報が絶え間無く襲ってくる
顳顬に通う血管の 脈打つ音が 脳の奥で谺する

痛い


外の世界は眩し過ぎる

鈍く光る曇り空も
変わり映えのない帰り道も
ガードレールの白 さえも

綺麗で 眩くて 痛い

ちゃんとフィルターを被せて 和らげてあげないと
また脳が悲鳴をあげる

ぼんやりと ぼんやりと
それでいい
僕のフィルターを通して見る世界は
それくらいで丁度いい