見えてる君と 見えてない私と

君には何が見えているの

そう 問いたくなる


私は今日も 教室の中で 友達と談笑する
談笑しつつも 私の目線は 別の方向へ惹きつけられていた
窓際 1番後ろの席で ずっと 外を眺めている彼
彼は へんな子だ
なぜか 彼に 密かに惹かれていた

彼は 下校時 いつもひとりぼっち
私は たまに 彼の横に並んで歩く
足取りは非常に遅い
家に着くまで いつもの2倍はかかる
彼とは 特に言葉は交わさない
私が勝手について帰ってるだけ


君はいつも どこか 私の知らない世界を 傍観しているよね
今も ほら どこか遠くを 悲しげに眺めてる

心の中で 呟く


私が 遠くの虹を眺め 綺麗 と言う時
君は 足下の 小さな花を 見つめてる
君はへんな子だ

同じ景色の中で 君と私は 同じ景色を見ていない

私は君と同じ景色を見てみたい
君と同じ目線で 景色を見てみたい

君の目線を追う
目線の先はいつも 一見パッとしないものだったり 何もなかったり
君に見えてるもの 私は探してる最中
ごめんね まだ 私には見えないよ


君に惹かれたのは
恋心 たぶん違う
友情 たぶん違う
同情 これも違う
きっと 純粋な憧れ
異質なものに対する 憧れ

あなたのようになれたなら あなたのようになれたなら
どんなに どんなに

そんな憧れ


また 目線を追う