紅の絨毯

砂利が敷き詰められた小庭を 紅い絨毯が覆う

よく見ると一つ一つが赤子の手の様な形
お手手を重ね合って鮮やかな紅いカーペット
それぞれに個性があって 上手く馴染んで絨毯を編む


秋らしくない初々しい緑が艶やかな色気を醸す
微かな木漏れ日が所々に陰影を象る
一層照らされた黒い岩が光沢を見せびらかす
それによって紅がいきいきしてる

皆が皆協力し合って
シャッターを切ろうと構える僕に レンズ越しに
私達は綺麗だ と威勢良く訴えかけてくる

うん 綺麗だね
とシャッターを切ってあげる
画面には 自慢げに映る彼らが居る


も少し季節が進めばこの綺麗は見れなくなる

この小さなワンシーンは色を変える
紅の絨毯は白銀に塗り替えられる
また新しい綺麗は生まれるのだろうけど
今を逃せばまた一年後に持ち越しなのか

そう思うと
明日もちゃんとおはようして
いってきますしなきゃな ってそう想ったよ