悪夢の中の生存本能

夢を見た

何処かのビルの中
横には大きな銃を持った男
仲間らしい
彼が僕に銃を装備しろと言うから 何処かの一室に銃を取りに行く
部屋で銃を手にして弾丸を込める

そうしていると
部屋の中にヤクザ風の奇妙な集団が入ってくる
仲間の彼が僕に机の下に隠れろと促すので長机の下に身を潜める
机は平らで薄くて面積はかなりあった

机の下で屈みながら彼の様子を見守る
彼は銃を奇妙な集団に対して撃ち続けている
奇妙な集団も皆銃を持っていて 彼に対して撃ち続けている
銃声が飛び交う
怖い

彼が倒れた
銃弾が当たってしまった
多分死んだ

奇妙な集団の話し声がぼんやりと聞こえる
僕を探しているみたいだ
奇妙な集団のボス面の男がドスンと机の真上に飛び乗る
頭上が揺れる
僕は震えながら銃を頭上向けて撃つ
恐らくボス面に当たった
隙を見て机の中から抜け出して部屋の出口を目指す
振り返るとボス面が巨大なマシンガンをどっしりと構えていた


そういえばこのボス面は一度見たことがある気がした
そもそもこの展開 どこかデジャヴだ
ずっと前もここで殺された
また殺される
そう直感した


ボス面がマシンガンをぶっ放す
弾丸が手足頭胸胴 身体のいたる部位を突き抜ける感触があった
撃たれた という感覚はあった
頭がぼんやりしてきて 死ぬ という感覚があった
しかし不思議と痛みは無かった
何故だかはわからないけど
取り敢えずまだ 僕は走れた


部屋を出て走る走る
階段を駆け上がって3階
何故かはわからない でもここが3階だという確信があった
こんなものに理由をつけるとするならば 夢だから としか言えそうにない
都合のいい 感覚的なものでしかないんだ夢って

3階の廊下を駆けて駆けて
まったく変な話だ
マスコットキャラのような 所謂ゆるキャラのような大きめのぬいぐるみが廊下に立ち塞がる
そいつは明らかな殺意を放っていた
歪な光景 異様な殺意

僕は必死に銃を放つけど ぬいぐるみは退かずにずんずん押し寄せてくる
ぬいぐるみが大きな腕を振り降ろす
僕はそれを避ける
続けざまに攻撃が飛んでくる
僕はまた避ける
本当にこいつ 殺意の漲りが物凄い

後方から奇妙な集団がやってくる
このままでは八方塞がりだ
僕は意を決してぬいぐるみに向かって走る
捕まえようとする大きな腕を避けてぬいぐるみの頭上を飛び越える

さっきから 階段を駆けてるときから 薄々気づいてたけど
身体能力がおかしい
体がめちゃくちゃ軽いというか思い通りに動かせるというか

そのまま廊下を走って
何故か開いている窓から飛び出し 隣の建物に掴まる
建物から建物へ 猿のように飛び移りながら逃げて行く

シーンが変わり 夢は終わりに向かって行く



まだ続きがある
でも長くなったので一旦終了
不思議だよね
こんなクソみたいな悪夢の中でも 夢ってわかってても
自然と生存本能が働く
夢で死んでも現実では擦り傷一つ無いのに死ぬのが嫌で逃げる
怖くて怖くて逃げる
不思議