レム睡眠

窓から吹く冷気が眼を冷やす
それが煩わしいから僕はアイマスクをして寝る
冷気の遮断
光の遮断
真っ暗で当然何も見えくて 吸い込まれそうな闇だけが在る
その闇の奥へ奥へと潜ろうとするが至らず
だだっ広い黒を眺める

時に金縛りに遭う
手足が痙攣したように動きを止め 衰弱した意識下の抵抗も虚しく
身体は宙に浮いたような感覚を覚え 益々震えが荒ぶる
幻聴 変な声と音が聴こえる
幻覚 真っ黒なはずの眼前にほんのりと何かの景色
這って寄り添って来るような形容し難い虞れ
何かに怯えて眼を覚ます
だだっ広い黒

だいぶ慣れたけど今なお 眠りにつくのが怖い