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タイトルを考えていた


砂漠に一つ林檎の花

白き時の雨

遍く夜の彼方

ならばならば

一月の蝉

虫喰いセト

またどうしようもなく始まるだけ

転がる小石

群春

海辺のピアノ



自分の中のそれっぽい言葉を見つけ出してはくっつけて

さあ書こう さあ書こう

勢い任せの一行目

大抵うまくいく

けど二行目

不安が重く足が止まる

あれじゃない これじゃない

探し回って時間が遠退く

タイトルはそこに在るのに

それを顕すに値する技量が足りない

それが悔しい