山手線

広島から東京駅
東京駅から池袋
山手線に乗り込み街を行く

昼時であるため乗客は少ない
空いていた席に腰掛け向かいの窓を眺める
窓はスクリーンのように奥の風景を映す
縦長の建造物ばかりで然程面白くはない
風景はアニメの如く流れ流れ 駅に着くごとに停止する
駅のホームには人と人と人
色んな顔と目が合う
笑う顔は一つもなかったような

電車内は閑か
右の中国人の咳込みと車内アナウンスだけが際立つ
点々と座っている人間の顔を見るのだけど
本当に同じ種族なのだろうかと疑ってしまう
広島には生息していないようなタイプの人間達
知的そうな風貌に気取った衣装
皆さんケータイ片手にせっせとお仕事

彼等に共通して言えるのが 他人に興味が無いこと
まあ 分からないこともない
都会は人と情報が多過ぎる
視界から消してやらないと脳が容量オーバー

車内に滞留する乾き冷めた空気
僕はそのもどかしさに耐えながら目的地へ