深夜1時に響くベル
昨晩は眠れぬ夜だった
一つ考えては消え も一つ考えては忘れ
際限なく思考の泥沼
何度も寝返りを打ち眠気を誘き寄せる
眠れぬ森に飽き飽きしてきたところ
遠くで音が聴こえてきた
微かな奏 僅かな響
こんな寒い時季に鈴虫かと耳を疑った
凝らして聞けばそれは小さなベルの音
目覚まし時計だろうか
こんな時間に?
ベッドに入ってから眠れぬ私の体内時計は1時を回っていた
こんな時間に起きる人がいるのか
それともただの設定ミスか
どちらでも構わないけど 私の意識はベルの音に集められていた
私が眠るのとベルが鳴り止むの どっちが先かな
そんなことを考えていた直後 ベルの音は止まった
でも不思議なことに私の頭の中ではまだベルが鳴り続けている
意識の深層でぐるぐると響くベルの音
誘われ昏睡してゆく
深夜の目覚ましも悪くはない
途切れる意識の端っこでそう想った