足下

いつも空ばかり見てる僕は、今日は足下を見ることにした。
電車の中での足下には床。小さな正方形が青、水色、灰と整列して並んでいる。窓からは光が差し込んでいて、地面に窓の形が映り揺れている。
電車を降りると足下にはアスファルトでできた黒いホーム。色んなところに汚れが見えていて、白い汚れは特に目立つ。ここにも光と影の一線が引かれていた。
ホームから出るとまたアスファルトの道。少し土を被っていて肌色に薄まった黒。道の端には硬い地面にも負けずに緑の草が生えている。そこにタバコの吸い殻も落ちている。

いや、それにしても暑い。日光が体の右半分を焼く。服の内で汗が垂れて行くのがわかる。なんて暑い1日だ、とうっかり空を見上げる。青空が見えた。青空が見えてしまったので今日はもう終わろう、そういうことにした。