夜の雨音

窓を開ける
冷たく湿気た空気が入り込んで少し呼吸が軽くなる
雨音も一緒に入ってくる
静かにアスファルトを叩く音
目を瞑ると山奥を流れる河のせせらぎの音
ここは部屋の中
車が水溜りを掻き分けて遠退く
遠くでサイレン
風に引っ張られたビニール傘が地面を引っ掻く
響くは夜の音

僕は今は暖かい布団の中で
明かりの消えぬ向かいの家の少年は今年が受験の年で
外は寒くて
ちょうど部屋の温みと混ざり合って快適なのだけど
あっちは寒いだろうなと思い出す
もう遠い過去だ


雨の音は雑音か
夜の音は雑音か
嫌いな音ではない
ノイズまみれの唄うラジオ
日常のヘルツを拾ってる
そんな感じで快適に