新年

明けましておめでとうございます
なんてのは
特別な言葉じゃないし 魔法の言葉でもない
毎年ふつうに言ってて 言う相手がいて
だけど今年の年末は実家に帰らなかったから ずっと 誰にも言えないで


ひとりで迎える正月は寂しかった
寮の給食は止まって そのあいだは1日2食コンビニ弁当
コンビニ店員との
「箸は一膳でよろしいですか?」
「はい」
というのが1日の 唯一の 人間との会話
コンビニ人間

延々と流れるテレビ番組も 一緒に観る人がいなけりゃ何も面白くはない
暖房の効いた部屋に 乾いた笑いと溜め息ばかり
窓の外は青くて冷たい 氷の世界が広がってる
ずっとこのまま引き篭もっていても許されるだろうか
なんなら猫でも飼ってみようか
色々考えた 一月一日

寝て起きて ご飯をたべて空をみて
年を越した実感のないまま 平成が終わろうとしている