残像に口紅を

昨日の夢はなんだった

よくよく考えてみると 1つ気になったことがあった

彼女の姿が消えた時の光景

読み進めていた小説のワンシーンに酷く似ていた


筒井康隆氏の
残像に口紅を という作品

世界から文字が消えていく というお話

文字が消えると その文字の含まれる言葉が消え
その言葉の概念までもが消えてしまうというお話


娘の名前に含まれる文字が消えて 娘の存在が消えていく一節

脱落していく記憶から 娘の顔を思い起こし
化粧っ気のなかった娘の残像に 薄化粧を施し 唇に紅をさしてやろう
といったシーン

影響されたかな

潜在的なイメージが夢の垂れ幕に投影されたかな


そもそも彼女は何者なのかな

未来の友人 彼女 妻

産まれるはずだった姉

違うか

深い意識の根底下で形作られた理想像

これが1番納得のいくものか

でも夢なんてそんなに都合の良いものでもないでしょう

私の納得なんて無視して
適当なトコから適当に引っ張りだされたものでしょう

当の本人の意図など微塵も含まない有象無象の産物でしょう


それにしても

彼女の笑顔が忘れられない

などと書きたいのに 忘れてゆくこの哀しさ

どう表現すればよいのだろうか

緻密に顕す術を持たないことが誠に苦々しい


忘れたい記憶ほどへばりついて拭えないくせに

忘れたくないものは水のように流れていくのか

無念無念 としか顕せない

哀しいなぁ


また夢で会えんかな

いつか正夢にでもならんかな

ならなかったら物語にしてやろうかな


本 途中だった

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